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Tibero RDBMS 5検証
第3回「Tibero RDBMS 5 の基本管理」

 Tibero RDBMS 5検証

update:

第3回「Tibero RDBMS 5 の基本管理」

著者:金永昊

Tiberoの基本管理

初期化パラメータ

初期化パラメータは、Tiberoのインスタンスとデータベース全体に関わる設定を行い、テキストファイルとして提供されています。($TB_HOME/config/$TB_SID.tip) 
Tiberoインスタンスは、起動時にファイルから初期化パラメータを読み取ります。

次の表は、パラメータ変更の有効範囲に関するパラメータのクラス属性を説明しています。

Group

Class

説明

Static /
Dynamic

Static

起動中には変更できないパラメータ。

Dynamic

起動中にも変更できるパラメータ。

Persistent /
Adjustable

Persistent

データベース作成後、変更できないパラメータ。

Adjustable

データベース作成後、変更できるパラメータ。

Mandatory /
Optional

Mandatory

起動するために必要なパラメータ。
初期化パラメータに設定されていなければ、起動できません。

Optional

初期化パラメータに設定されていなければ、デフォルト値を使用します。

System /
Session

System

インスタンス全体に共有されるパラメータ。

Session

それぞれのセッションで変更できるパラメータ。


データ型

Tiberoでは、SQL標準をベースに各種データ型を提供しています。
以下は、Tiberoが提供するデータ型です。

区分

データ型

備考

文字型

CHAR

最大2000 BYTE、固定文字列、文字列の長さが0の値はNULLと認識されます。

VARCHAR(2)

最大4000 BYTEまで、可変文字列、文字列の長さが0の値はNULLと認識されます。

NCHAR

最大2000 BYTE、UNICODE文字列、固定文字列

NVARCHAR(2)

最大4000 BYTE、UNICODE文字列、可変文字列

RAW

最大2000 BYTE、バイナリデータ、16進数で表現、可変長

LONG

最大2GB、索引作成不可、1つ以上の列のみ、VARCHAR型の拡張型

LONG RAW

最大2GB、索引作成不可、1つ以上の列のみ、RAW型の拡張型

数字型

NUMBER

整数、実数、 [(precision[,scale])]:整数または実数を格納
pは1~38、sは-125~130

INTEGER,FLOAT

 

日付型

DATE

特定の日付と秒単位までの時間を表示します。

TIME

秒単位の小数点9桁までの特定の時間を表示します。

TIMESTAMP

日付と秒単位の小数点9桁までの時間をすべて表示します。

TIMESTAMP WITH TIME ZONE (Timestampを拡張して時間帯まで表示),
TIMESTAMP WITH LOCAL TIME ZONE (特定セッション時間帯によって表示)

間隔型

INTERVAL YEAR TO MONTH(年と月を使用して時間間隔を表示)、
INTERVAL DAY TO SECOND(日時分秒を使用して時間間隔を表示)

大容量型

CLOB

4GBまで、LONG型の拡張型、1つ以上の列、別のブロック

BLOB

4GBまで、RAW型の拡張型、1つ以上の列、別のブロック

XMLTYPE

CLOBの最大サイズまで、XMLデータ

基本型

ROWID

各行を識別するため、自動で付与するデータ型、行の物理位置を含んでいます。


スキーマ・オブジェクト

各オブジェクトは、「データベース > ユーザー > スキーマ >スキーマ・オブジェクト」の順で階層関係にあります。 スキーマ・オブジェクトは1つのスキーマ(ユーザー)によって作成され、そのスキーマに属します。表、索引といった実際に物理記憶域を持つオブジェクトをセグメントと言います。 Tiberoでのスキーマ・オブジェクトには次のようなものがあります。

  • テーブル:リレーション表、インデックス構成表(B-TREE構造)、外部表
  • インデックス:単一カラム、複合カラム、ユニーク、非ユニーク
  • ビュー:結合ビュー、更新可能ビュー、実体化・ビュー(Materialized View)
  • シーケンス(権限毎):SEQUENCE、ANY SEQUENCE
  • シノニム(権限毎):SYNONYM、ANY SYNONYM、PUBLIC SYNONYM
  • トリガー(権限毎):TRIGGER、ANY TRIGGER
  • パーティション:パーティション・テーブル(レンジ、ハッシュ、リスト、コンポジット)、パーティション・インデックス(ローカル、グローバル)

ストアド・オブジェクト

ストアド・オブジェクトは、TiberoのtbPSM(Persistent Stored Modules)という手続き型プログラミング言語で作成されます。tbPSMのサブプログラムは、結果値が戻るかどうかによってプロシージャ(Procedure)と関数(Function)に区分されます。パッケージ(Package)は、概念的に関連するtbPSMの変数や型、サブプログラムをグループ化したオブジェクトです。


ユーザー管理とデータベース・セキュリティ

1)ユーザー管理
Tiberoは、ユーザーを作成すると、ユーザーのパスワードを暗号化してデータディクショナリに格納します。プロファイル設定によって、使用期限の満了、ログイン試行の失敗回数の超過などでアカウントがロックされた場合でも、ACCOUNT UNLOCKコマンドでロックを解除できます。

2)権限

  • スキーマ・オブジェクトの権限
  • スキーマ・オブジェクトの権限は、テーブル、インデックス、ビューなどにアクセスすることを制御する権限です。スキーマ・オブジェクトは、GRANTコマンドで付与可能で、その内容はデータディクショナリに記録されます。
  • システムの権限
  • データベースを管理するにあったて必要なシステムコマンドを使用するには、システムの権限を付与されたり、持っていたりする必要があります。システム権限は基本的にSYSユーザーが所有し、他のユーザーに付与できます。
  • プロファイル
  • プロファイルは、ユーザーのパスワードの制限を設ける事ができ、ユーザー別にグループ化したパスワードを管理できる機能を提供します。

プロファイル・パラメータの構成要素

パラメータ名

デフォルト値

説明

FAILED_LOGIN_ATTEMPTS

10

ロックアウト前に許可されるログイン試行の失敗回数を制限します。

PASSWORD_LIFE_TIME

180

パスワードの存続期間を、整数で指定する日数に制限します。

PASSWORD_REUSE_TIME

UNLIMITED

パスワードの使用期限が切れた後、再使用できるまでの日数を制限します。

PASSWORD_REUSE_MAX

UNLIMITED

パスワードの再使用に必要なパスワード変更回数を指定します。

PASSWORD_LOCK_TIME

1

アカウントがロックされる日数を指定します。

PASSWORD_GRACE_TIME

7

パスワードを変更できる猶予期間の日数を制限します。

PASSWORD_VERIFY_FUNCTION

VERIFIY_FUNCTION

パスワードの文字列を検証するPSM関数を指定します。


3)ロール (ROLE)
ロールは、複数の権限を集めたものであり、一つの単位としてユーザーに付与できます。ロールを作成、変更、付与するためには、適切な権限が必要です。

  • ロールの作成、付与、取り消し
  • 予め用意されているロール:CONNECT、RESOURCE、DBA
  • 基本ロール:SET ROLE文を使用して、そのセッションに対してロールを何度でも使用可能または使用禁止にできます。 例) SET ROLE ALL;  SET ROLE NONE;

4)ネットワーク接続制御(Network Access Control)
許可のないユーザー、保安問題を持つユーザーのネットワーク接続を遮断し、制御するネットワーク保安技術です。

  • 全体ネットワーク接続制御 (クライアント全体)
    例) ALTER SYSTEM LISTENER REMOTE [ON / OFF];
  • IPアドレスベースのネットワーク接続制御 (クライアントIP)
    例) 初期化パラメータ:
    LNSR_INVITED_IP=192.168.1.1;192.168.2.0/24 (許容)
    例) 初期化パラメータ:
    LNSR_DENIED_IP=192.168.1.1;192.168.2.0/24 (拒否)

5)監査
Tiberoでの監視(Auditing)は、監視機能を利用して特定の動作、または、特定ユーザーに対して別途のログを残すことで、データベースをより効果的に保護することができます。 監視記録(Audit Trail)を残したいユーザーまたはロールが指定できます。成功した動作または失敗した動作のいずれかを指定して残すことも可能です。また、セッション別に1回のみ残すか、動作が実行されるたびに残すかも指定可能です。

  • スキーマ・オブジェクトに対する監視
    指定されたスキーマ・オブジェクトに実行されるすべての動作が記録できます。
    例) AUDIT 「NOAUDIT」 delete ON test_tbl BY SESSION WHENEVER SUCCESSFUL;
  • システム権限に対する監視
    指定されたシステムの権限を使用するすべての動作が記録できます。
    例) AUDIT 「NOAUDIT」 create table BY tibero;
  • SYSユーザーに対する監視
    SYSユーザーのコマンドを監視するには、$TB_SID.tipファイルのAUDIT_SYS_OPERATIONパラメータを “Y” に設定します。(デフォルトは、監視対象から除外されます。)

監視記録(Audit Trail)は、コマンドを実行したユーザー、コマンドが実行されたスキーマ・オブジェクト、実行時間、セッションIDなどの基本情報や実行されたSQL文で構成されます。また、AUDIT_TRAILパラメータによってデータベースの内部またはOSファイルに保存できます。AUDIT_TRAIL= (NONE | DB | DB_EXTENDED | OS)


自動性能監視(APM)

1)概要
自動性能監視(Automatic Performance Monitoring)は、データベースの性能統計情報を周期的に自動収集します。また、収集した統計データに対する内部分析レポートの出力機能を提供し、システムの負荷分析をサポートする機能です。

  • スナップショット保存機能化
    v$sysstat、v$system_event、v$sqlstats、v$sgastatなどのTibero RDBMSの各種の性能の統計情報を周期的(通常1時間)に表に保存します。このスナップショット情報を利用して性能分析レポートを作成する機能を提供します。DBAは特定の区間を指定してレポートを作成し、それを利用してデータベースの性能問題を診断することができます。
  • セッション状態保存機能
    1秒に1回ずつ現在ランニング状態のセッションのIDと待機中のイベント情報をメモリに保存します。このように保存した情報はv$active_session_historyビューで照会することができます。このビューを利用してデータベースの性能問題をより細密に診断することができます。

2)APMの使用方法

  • tipの設定
    初期化パラメータのAUTOMATIC_PERFORMANCE_MONITORINGと、 ACTIVE_SESSION_HISTORY=Yに設定します。
    その他の設定を行うには、以下のようなパラメータを調整します。

パラメータ

説明

AUTOMATIC_PERFOR
MANCE_MONITORING

Yに設定すると、スナップショット保存機能が有効になります(デフォルト値: N)

ACTIVE_SESSION_HISTORY

Yに設定すると、セッション状態保存機能が有効になります(デフォルト値: N)

_APM_SNAPSHOT_SAMPLING_INTERVAL

スナップショット保存周期を設定します(デフォルト値: 60、単位: 分)

_ACTIVE_SESSION_HISTO
RY_SAMPLING_INTERVAL

セッション状態保存周期を指定します(デフォルト値: 1秒、単位: 秒)

GATHER_SQL_PLAN_STAT

Yに設定すると、詳細なSQL統計情報が収集できます(デフォルト値 : N)

  • レポート作成方法(手動)
    1. create directory文でAPMレポート用のディレクトリを作成します。
    2. _APM_SNAPSHOT表を照会して、目的の期間内に対する開始時刻(BEGIN_INTERVAL_TIME列)、終了時刻(END_INTERVAL_TIME)を確認します。
    3. exec dbms_apm.report_text(開始時間, 終了時間); を実行すると、$TB_HOME/instance/$TB_SID/apm_report.{mthr_pid}.{current_time}に作成されます。

3)性能分析項目

分析項目

説明

1. Report Summary

Cache Sizes
Load Profile
Instance Efficiency Percentages (Target 100%)
Shared Pool Statistics
Top 5 Timed Wait Events

2. Wait Events & Active Stats

Wait Event Class
Wait Events
Instance Activity Stats

3. SQL Statistics

SQL Ordered by Elapsed Time
SQL Ordered by Gets
SQL Ordered by Executions
SQL Ordered by Parse Calls

4. IO Stats

Tablespace IO Statistics
File IO Statistics

5. SGA Statistics

Buffer Pool Statistics
Library Cache Statistics

6. PGA Statistics

PGA Statistics

7. Wlock Statistics

Wlock Statistics

8. Undo Statistics

Undo Statistics

9. Spinlock Statistics

Spinlock(Latch) Statistics

10. Tibero Init. Parameters(.tip)


Tiberoのデータファイルとデータ管理

データベース記憶域構造

  • 論理記憶域構造:データベースのスキーマ・オブジェクトを格納する領域です。
    論理的な格納領域は、以下のような包含関係にあります。
    データベース > 表領域 > セグメント > エクステント
  • 物理記憶域構造:OS上のファイルにデータを格納する領域です。
    物理的な格納領域は、以下のような包含関係にあります。
    データファイル > OSのデータブロック

表領域 (Tablespace)

表領域は、論理的な格納領域と物理的な格納領域に共通して含まれます。論理的な格納領域にはTiberoのすべてのデータが格納され、物理的な格納領域にはデータファイルが1つ以上格納されます。


ログファイル (Log File)

ログファイルは、Redoログを保存するファイルです。Redoログはデータベースで発生するすべての変更内容を含みます。データベースに致命的なエラーが発生した場合、コミットされたトランザクションによる更新内容を復旧するためのデータ構造です。


制御ファイル (Control File)

制御ファイルは、データベース全体のメタデータを保管するバイナリ・ファイルです。最初の制御ファイルはTiberoのインストール時に一緒に作成されます。 制御ファイルには以下のような情報が含まれています。

  • データベース
    :データベースの名前、初期化パラメータ・ファイルの名前、作成および変更タイムスタンプ。
  • 表領域
    :表領域を構成するデータファイル、作成および変更タイムスタンプなど。
  • データファイル
    :データファイルの場所と名前、作成および変更タイムスタンプなど。
  • Redoログ
    :ロググループの数と構成ログメンバー(ログファイル)の場所と名前、作成および変更タイムスタンプなど。
  • チェックポイント
    :最近チェックポイントを実行したタイムスタンプなど。


Tiberoのバックアップおよびリカバリ

バックアップ (Backup)

バックアップ可能なファイルには、表領域のデータファイル、制御ファイルの作成文、表領域のデータファイル、アーカイブ・ログファイルなどがあります。

以下は、Tibero RDBMSが提供するバックアップの種類です。

1)モード別のバックアップ

  • ARCHIVELOGモード
    オンライン・バックアップ(Online Backup)または、ホットバックアップ(Hot Backup)といいます。データベース運用中にバックアップできます。リカバリは、バックアップされたアーカイブ・ログファイルの時点によって、データファイルのバックアップ時点前にリカバリできます。
  • NOARCHIVELOGモード
    オフライン・バックアップ(Offline Backup)または、コールドバックアップ(Cold Backup)といいます。基本的にデータベースはNOARCHIVELOGモードです。データベースを構成する全体ファイルは、必ずTibero RDBMSが正常終了した状態でバックアップします。リカバリはデータベースのバックアップを取った時点からリカバリできます。

2)Consistentバックアップ
Tibero RDBMSを正常に停止してから行うバックアップです。

3)Inconsistentバックアップ
Tiberoデータベースの運用中に行うバックアップです。NOARCHIVELOGモードではこの方法を推奨しません。


リカバリ (Recovery)

Tiberoは、データベースで発生するすべての変化をログファイルに記録します。したがって、バックアップ以降にデータベースに起きたすべての変化については、ログを適用するとリカバリできます。ログファイルには、コミットされていないトランザクションが修正したデータも含まれています。リカバリ時、アーカイブ・ログファイルとログファイルを両方とも使用できます。

1)ブートモード別のリカバリ

  • NOMOUNTモード
    常時リカバリができ、データベースと制御ファイルを作成できます。制御ファイルに障害が発生した場合は、NOMOUNTモードで制御ファイルを作成します。
  • MOUNTモード
    データファイル、オンライン・ログファイル、制御ファイルをチェックします。MOUNTモードでは、制限されたビューの参照が可能であり、メディア・リカバリもできます。
  • OPENモード
    データファイル、オンライン・ログファイル、制御ファイルが正常であり、一貫性に問題がなければ、三つのファイルを開いてデータベースを起動します。

2)メディア・リカバリ(Media Recovery)
データベースのファイルに障害が発生した場合、行うリカバリです。

  • 完全リカバリ
    オンライン・ログファイルの最新ログまでをすべて反映するメディア・リカバリです。
  • 不完全リカバリ
    オンライン・ログファイルの過去の特定時点までリカバリできます。リカバリ後には必ずRESETLOGSモードでデータベースを起動しなければなりません。

3)オンライン・メディアリカバリ(Online Media Recovery)
オンライン・メディアリカバリは、完全リカバリのみ可能です。 OPENモードで表領域のデータファイルに障害が発生した場合に行うリカバリです。

4)クラッシュ・リカバリ(Crash Recovery)
Tibero RDBMSが起動中に停電、システム異常、強制終了などによりデータベースが 異常終了した場合、自動的に整合性を保つために行われるリカバリです。 クラッシュ・リカバリの全手順は、ファイルの損傷がない限り、自動的に行われます。


リカバリ管理者 (RMGR)

リカバリ管理者(以下、RMGR)は、多様なバックアップ/リカバリのシナリオが実行できるように構成されています。

1)RMGRの機能

  • オンラインフル・バックアップ (Online Full Backup)
    Tiberoデータベースに属している全データファイルをオンライン・バックアップします。オンライン・バックアップを実行するには、データベースがARCHIVELOGモードである必要があります。
  • 増分フルバックアップ (Incremental Full Backup)
    RMGRを使用してオンラインフル・バックアップを取ると、これを利用して増分バックアップ(Incremental Backup)ができます。増分バックアップとは、バックアップ時に全体ファイルをバックアップするのではなく、更新される部分のみ記録する方式です。
  • そのため、バックアップ時間が短くなり、ディスクの容量を減らすことができます。
  • 自動リカバリ (Automatic Recovery)
    RMGRで作成されたバックアップファイルを使用して自動リカバリを実行します。そのためには、バックアップの時に作成されたRMGR Info fileが必要です。

2) リカバリ管理者情報ファイル (RMGR Info File)
RMGRでバックアップを実行すると、RMGR Infoというテキストファイル(rmgr.inf)が生成されます。RMGRからのバックアップの情報が格納されており、増分フルバックアップ(Incremental Full Backup)時に引き続き追加で残ります。もしこのファイルを無くしたら、増分フルバックアップ(Incremental Full Backup)で残ったバックアップコピーはリカバリできないので注意が必要です。


データベース開発・管理ツールtbAdmin

概要

tbAdminは、GUI環境ベースのデータベース開発・管理ツールであり、使用方法が簡単です。 SQL問合せだけでなく、データ定義言語(DDL)やトランザクション関連のSQL文を実行できます。また、tbPSMプログラムを作成・実行でき、複数のSQL文やtbPSMプログラムを1つのファイルに作成・保存して呼び出すことができます。特に、DBAはtbAdminを利用してTibero RDBMSを管理し、コマンドの実行やモニタリングを行えます。

起動と終了

tbAdminを起動は、バイナリ実行ファイルを実行するとすぐ起動されるため、別途インストールする必要はありません。 tbAdminを終了するには、[ファイル] > [終了]メニューを選択するか、右上の[x]ボタンをクリックします。

基本機能

  1. SQL Editor:SQL文を入力および保存することができ、SQL文の実行計画(Execution Plan)を確認できます。
  2. PSM Editor:SQL文だけでなく、PSM(Persistent Stored Module)文も作成、実行することができます。
  3. Schema Browser:各スキーマ・オブジェクトの詳細情報を一覧で確認できるビューです。
  4. Schema Tree Browser:データベースのスキーマ・オブジェクトの情報をツリー形式で見ることができます。
  5. ASCII Table:SQL EditorなどにASCII文字を入力できます。

DBA機能

  1. Session Manager:現在接続されているデータベースのセッション情報を照会できます。
  2. SQL Monitor:Tibero RDBMSサーバーのSQLをモニタリングできます。
  3. Transaction Monitor:Tibero RDBMSサーバーのトランザクションをモニタリングできます。
  4. Analyze Manager:分析マネージャーはデータベース・オブジェクトの統計情報を収集し分析値を提示することで、DBAに性能最適化のための情報を提供します。
  5. Graph and Report:性能チューニングに使用されている多数の統計情報をグラフ形式で表示します。
  6. Parameter Manager:接続されているデータベースのパラメータ情報を表示し、修正することができます。
  7. Extents Viewer:データベースでデータを保存する論理的な単位です。
  8. Database Information:tbAdminと接続中のデータベースの物理的なリソース状況を見ることができます。
  9. Tablespace Manager:tbAdminと接続中のデータベースに存在する表領域の情報を確認することができます。
  10. Instance Monitor:データベース・インスタンスの状態をリアルタイムでチェックできます。
  11. Compile Invalid Objects:無効なオブジェクト(Invalid Object)を一括でコンパイルできます。
  12. Security Manager:ユーザー、ロール、権限、プロファイルなど、データベースのすべてのセキュリティに関連した事項を様々な観点で照会でき、リアルタイムで変更・設定できます。
  13. Export, Import:データをエクスポート、インポートすることができます。

tbAdminの画面

tbAdminの画面


Tibero RDBMSのユーティリティ

1)tbSQL
tbSQLはSQL文を処理するために、提供する対話型ユーティリティです。tbSQLを利用することで、SQL問合せのみならず、DDLやトランザクション関連SQL文を実行することができます。また、tbPSMプログラムを生成、実行することもできます。

$ tbsql sys/tibero

SQL> show all;

PARAMETER VALUE
---------------- ----------------------
AUTOCOMMIT OFF
AUTOTRACE OFF
BLOCKTERMINATOR ON and LETTER is "."
COLSEP OFF
COMMENT ON
DDLSTATS OFF
DEFINE ON and LETTER is "&"
ECHO OFF
EDITFILE ".tbedit.sql"
ESCAPE OFF
FEEDBACK ON and MINIMUM_RECORDS is 0
FILEEXT "sql"
FILEPATH ""
HEADING ON
HISTORY ON and SAVE_LINES is 50
LINESIZE 80
LONG 80
NUMWIDTH 10
PAGESIZE 24
PAUSE OFF
PROFILE OFF
SERVEROUTPUT OFF
SQLPROMPT "SQL> "
SQLTERMINATOR ON and LETTER is ";"
TERMOUT ON
TIME OFF
TIMING OFF
TRIMOUT ON
TRIMSPOOL OFF
WRAP ON


2)tbExport
tbExportはエクスポート・ユーティリティーです。tbExportユーティリティはTiberoデータベースに保存されているスキーマ・オブジェクトの全体または一部を抽出して固有形式のファイルに保存するため、データベースのバックアップや異なるマシン間でのデータベースの転送時に有効です。

$ tbexport
Usage:  tbexport [PARAMETER1=VALUE] [PARAMETER2=VALUE] ...
Parameters:
    CFGFILE           Config file name
    USERNAME       Database user name
    PASSWORD      User password
    IP                IP address, default: localhost
    PORT            PORT number, default: 8629
    SID              Database name
    FILE              Export dump file name, default: default.dat
    NO_PACK_DIR    Export unpacked dump files to specified directory.
                      If this option is specified, FILE parameter will be ignored.
    OVERWRITE      Overwrite datafile if same file name exists: Y/N, default: N
    LOG             Export log file name
    LOGCFG         Log Configuration File Path, default: explog.properties
    FULL            Full Mode: Y/N, default: N
    USER              User Mode: user name list
    TABLE             Table Mode: table name list. Append :<Partition Name>
to select a single partition (Optional)
    QUERY             Where predicate: (Optional) to filter data to be exported
(must be used with TABLE parameter)
    INDEX             Export Index: Y/N, default: Y
    GRANT           Export Grant: Y/N, default: Y
    CONSTRAINT     Export Constraint: Y/N, default: Y
    ROWS            Export Table Rows: Y/N, default: Y
    SCRIPT            LOG THE DDL SCRIPT: Y/N, default: N
    THREAD_CNT     Thread Count, default: 4
    SERVER_VER        Server Version, default: 4
    PARALLEL_DEGREE   Option of parallel hint, default: 0 (NOT PARALLEL)


3)tbImport
tbImportはインポート・ユーティリティーです。tbImportユーティリティは、tbExportの外部ファイルに保存されたスキーマ・オブジェクトをTiberoデータベースに再保存するため、tbExportユーティリティと同様、データベースのバックアップや異なるマシン間でのデータベースの転送などを行う時に有効です。

$ tbimport
Usage:  tbimport [PARAMETER1=VALUE] [PARAMETER2=VALUE] ...
Parameters:
CFGFILE         Config file name
USERNAME      Database user name
PASSWORD     User password
IP                IP address, default: localhost
PORT            PORT number, default: 8629
SID               Database name
FILE              Import dump file name, default: default.dat
NO_PACK_DIR       Import unpacked dump files from specified directory.
                  If this option is specified, FILE parameter will be ignored.
LOG               Import log file name
FULL              Full Mode: Y/N, default: N
USER              User Mode: user name list
FROMUSER       FromUser toUser Mode: user name list(must be used with TOUSER parameter)
TOUSER          FromUser toUser Mode: user name list(must be used with FROMUSER parameter)
TABLE             Table Mode: table name list
INDEX             Import Index: Y/N, default: Y
GRANT             Import Grant: Y/N, default: Y
CONSTRAINT       Import Constraint: Y/N, default: Y
ROWS              Import Table Rows: Y/N, default: Y
DPL               Use Direct Path Load: Y/N, default: N
PIPELINING        Use pipelined import(must be used with DPL parameter): Y/N, default: N
LOGCFG            Log Configuration File Path, default: implog.properties
SCRIPT            LOG THE DDL SCRIPT: Y/N, default: N
THREAD_CNT      Thread Count, default: 4
SERVER_VER       Server Version, default: 4
IGNORE            Ignore create error due to object existence: Y/N, default: N
IO_BUF_SIZE       Specify the buffer size of file I/O, default: 16M(16777216)
BIND_BUF_SIZE     Specify the buffer size of DPL stream, default: 1M(1048576)
EXP_SERVER_VER    Specify the exported server version, default: 4
NATIONAL_CHARSET  Specify the exported national character set, default is the exported character set


4)tbLoader
tbLoaderは、一度に大量のデータをTibero データベースに保存するためのユーティリティです。tbLoaderユーティリティを使用することで、SQL文を一つ一つ作成してデータベースにデータを入力する代わりに、列データのみを一般テキストファイルにして一度に高速インポートすることができます。

$ tbloader
Usage: tbloader [options] [controls]

Options:
  -h|--help        Displays the more detailed information.
  -v|--version     Displays the version information.

Controls:
  userid           userid/passwd@dbname
  control          Control file name
  log              Log file name
  bad              Bad file name
  data             Data file name
  skip             Skip lines in data file [default:0]
  direct           Direct Path Load [default:N]
  dpl_log          Enable Direct Path Load logging [default:N]
  message        Loading progress message to stdout
  readsize         Read buffer size
  bindsize         Bind buffer size
  errors           Errors to allow [default:50]
  rows             Rows per commit
  multithread      Use multi-thread for Direct Path Loading [default:Y]

Example:
  tbloader userid=userid/passwd@dbname control=sample.ctl bindsize=1000000


5)tbMigrator
tbMigratorはマイグレーション・ユーティリティです。このユーティリティは他のDBMSが構成した データベース全体あるいは一部をTibero RDBMSに移行するマイグレーション作業をサポートします。すなわち、他のDBMSに保存されている表、索引、ビューなどのスキーマ・オブジェクトとESQL(Embedded SQL:埋込みSQL)、PSMプログラムなどをTibero データベースに移行して以前のデータベースで行っていた機能を実行させます。


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