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Oracle Database Applianceの検証
第1回「概要」

 Oracle Database Applianceの検証

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第1回「概要」

著者:金永昊

はじめに

Oracle RACの構築は簡単ではありません。

Oracle 11g R2 からはGrid Infrastructure (Oracle Clusterware + Oracle ASMが統合)導入が必須になり、以前より複雑になっています。Oracle RACの構築には、Oracle Databaseに関する技術だけではなく、基盤技術も不可欠です。Oracle RACを構築するためにはOracle DB、ストレージ、サーバー、ネットワークといった基盤技術に詳しいインフラエンジニアを備えることが重要で、相応の期間とコストがかかります。

「少ない人数を使って短期間で簡単に
高可用性データベースを構築できる ソリューションなどないかな~」

(高可用性データベース・システム導入の悩み)


そういった悩みを解決してくれるソリューションがOracle社から出ました。 ”Oracle Database Appliance” というアプライアンス製品です。 同梱されているOracle Appliance ManagerとOracle Integrated Lights Out Manager(Oracle ILOM)というGUIツールを使えば簡単に高可用性データベースを構成することができます。

Oracle Integrated Lights Out Managerの画面

図 Oracle Integrated Lights Out Managerの画面
Oracle Integrated Lights Out Manager:Oracle Database Appliance Serverを統合的に監視管理可能

Oracle Appliance Managerの画面

図 Oracle Appliance Managerの画面
Oracle Appliance Manager:8~12 ステップのウィザードで容易に高可用性DBが構築可能

Oracle Database Applianceの特徴

Oracle Database Applianceは高可用性データベース・ソリューションの導入、管理、サポートを簡素化し、必要な時間とコストを削減できます。 Oracle Database 11gを用いて、1つの筐体内にソフトウェア、サーバー、ストレージ、ネットワーク機能が完全に統合されたシステムであり、自社開発やパッケージ化されたさまざまなOLTPアプリケーション、データウェアハウス・アプリケーションのための高可用性データベース・サービスを提供します。 ユーザーは独自のPay-As-You-Grow(システム規模に応じた支払い)方式のソフトウェア・ライセンスを使用できるため、ハードウェア・アップグレードに付き物のコストやシステム停止を発生させることなく、2プロセッサ・コアから24プロセッサ・コアまでシームレス(seamless)に拡張することができます。

データベース・アプライアンス

  • 一つの筐体内に統合されたデータベース・アプライアンス製品
  • インストール、パッチ適用、診断がボタンをクリックすることで簡単に実行可能
  • Oracle Database Enterprise Edition 11g
    (Real Application Cluster または Real Application Cluster One Nodeのオプション)
  • Oracle ASM (Automatic Storage Management)
  • Oracle Enterprise Manager Database Control
  • Oracle Linux Release 5.5
  • 2つのデータベース・サーバー
  • 最大24プロセッサ・コア(2 ~ 24プロセッサ・コア)
  • 最大192 GB メモリー (1サーバー・ノードあたり96 GB )
  • 12 TB SAS (Serial Attached SCSI) ディスク・ストレージ

Oracle RAC導入時に必要な知識

Oracle RACを構築するには基盤技術の知識が不可欠です。次の表はOracle Database ApplianceでOracle RACを構築する時とOracle Database ApplianceなしでOracle RACを構築する時に、どの領域で、どの程度の知識レベルが必要かを示しています。(想定値)

Oracle Database ApplianceとOracle RACを構築する際に必要な知識

図 Oracle Database ApplianceとOracle RACを構築する際に必要な知識

■Oracle Database Applianceに必要な知識

  • OS:コマンドを実行できる知識、ファイルをアップロード、ダウンロードできる知識
  • Network:社内環境に合わせるネットワーク・ケーブリング知識、ネットワーク設定可能な知識
  • Oracle DB:Oracle Databaseの概要、Oracle RACの概要


■Oracle RACに必要な知識

  • Hardware:ハードウェアの専門知識、サーバーマシンとハードウェアの選定、ハードウェアの操作
  • OS:OSの全般的な専門知識(基本操作、運用管理、インストール、セキュリティ、ネットワークなど)
  • Network:ネットワークに関する専門知識、ネットワーク・ケーブリング、ネットワーク機器操作、ネットワーク環境の設定
  • Storage:ストレージに関する専門知識、ストレージ機器の操作
  • Oracle DB:Oracle DBとOracle RACに関する専門知識、Oracle RACの構築手順、OSの基本知識、ネットワークの基礎知識、ストレージの基礎知識


それでは、実際にはどのように導入していけばいいのでしょうか。弊社では日本オラクル社に協力いただき、検証機器を利用させていただきました。次回からはハードウェア・ソフトウェア構成、導入プロセス、導入後の環境について詳細に紹介していきます。

第2回に続きます……


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